「博士の愛した数式」を観て
本作はレンタルビデオで観ました。
映像を見る前に原作を読んでいました。
原作は大変おもしろかったです。
ごく普通の家政婦からみた一風変わっていて
ちょっととっつきにくい、というかそもそも記憶に
障害があるのだから仕方ないですが、そういった
数学者とのはじめはぎこちなかった付き合いが
徐々に打ち解けあい、子供のルートがある種の
絆となってついには「友人」関係まで築いてしまう。
その絆のスパイスに数学の定理や公式や数式が
ちりばめられていて、絶妙に連携がとれている。
本当に心温まる作品でした。
さて、映画の本作。
配役は僕の小説を読んだキャラクターのほぼイメージに
ぴったりでした。家政婦の深津絵里、教授の寺尾聡、
これははまり役だとおもいました。
しかし、教授のほほえましいキャラクターを示すエピソードが
かなり削られていることが非常にもったいなかった。
たとえば選手カードへのこだわり。教授の誕生日プレゼントは
苦心して買い求めた江夏のレアカードだったのに、
映画ではあっさりとスタジアムジャンパーに変わってる。
球場への野球観戦はルートの所属する少年野球の試合。
原作の阪神戦でのエピソード、特に球場の売り子に
ひそやかな恋心を抱くところは僕は大好きだった。
それとか言葉を瞬時にして逆さまに並べ替えることができる
特技を自分の都合の悪いときに披露することとか、すっかり
カットされてる。
ルートが成人した姿である吉岡を出して数式の解説をするっていうのも
アイデアとしてはよかったけど、もっと博士のキャラクターに
焦点を当ててほしかった。
監督の小泉堯史の「雨あがる」や「阿弥陀堂だより」はすごく
しっとりした空気が漂ういい作品で好きだったのだが、
この作品はちょっと小粒すぎたな。「阿弥陀堂だより」も
原作を読んでしまうと、がっかりするんだろうか。
本作品の評価★★★☆☆
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